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●お仏壇の歴史
日本でお仏壇が祀られるようになったのは、1300年ほど前、天武天皇が「諸国家毎に仏舎を設け、仏像及び経巻を安置し、以て三宝を供養すべし」と命じたことが『日本書紀』にあり、これが始まりと言われています。しかし、当時は貴族などごく限られた階級の人々が祀っただけで、鎌倉時代になって庶民階級の家で内仏堂が一般化されるようになったようです。
室町時代には書院造りという武家の住宅様式がおこり、床の間に仏具や掛軸が飾られるようになりました。江戸時代になると、キリシタン対策である「宗門改め」によって檀家制度がとられるようになり、すべての家は檀家としてお寺の管理下に置かれるようになります。同時に、各家庭でも仏壇を安置し供養をすることが奨励されたことにより、今日のようにお仏壇が一般的になりました。
●なぜお仏壇をお祀りするのでしょうか?
お仏壇とは何なのかと聞かれたとき「亡くなった人やご先祖を祀り故人を偲ぶところ」と答える方もいらっしゃれば、「ご本尊を祀り仏教の信仰を深めるところ」と答える方がいらっしゃるかもしれません。ご意見は色々あるとは思いますが、これは何が正しいという問題ではないように思います。
お仏壇は本来、寺院の内陣を模して小型にした箱であり、お仏像やお仏具を飾りご本尊を祀る入れ物ですから、家の中のお寺のような存在といえます。ですから「ご本尊を祀り仏教の信仰を深めるため」というのが第一の理由かも知れませんが、「亡くなった人やご先祖を祀り故人を偲ぶため」というのもお仏壇を祀る理由といえます。
初めてお仏壇を購入されるきっかけの多くは、ご家族が亡くなられたことによるものです。愛する親族を失った時、人は誰も大きな悲しみを感じますが、この悲しみは亡くなられた理由などによってとても長く続く場合があります。今日ではこうした悲しみを癒すことの重要性が認識されるようになってきており、お仏壇を前にして亡くなった親族と会話することは、亡くなった親族との関係を作り直すよい機会になります。心の中での対話を通して、人は少しずつ悲しみを乗り越えていけるのかも知れません。
家の新築や改築にあわせてお仏壇を新しくされたりお洗濯されることもよくありますが、これはご先祖を敬う気持ちの現れといえます。日本では仏教と先祖信仰は深く結びついており、私たちにとって大切だった人やご先祖と心の対話をすることは、仏教の歴史の中でも自然な流れといえます。
仏教には「こうしなければいけない」というような教えはありません。特定の対象がなくとも、お仏壇の前で手を合わせ心を落ち着かせることは、自分自身を見つめ直し、自分らしさを取り戻すきっかけになるかも知れません。また、ご家族がお仏壇におまいりする姿を見て、子供たちが家族を信頼する気持ちや他人への慈愛を育むということもあるでしょう。
歴史的ないきさつや各宗派による教えはあるにしても、最終的にはひとりひとりの心の問題でもあり、お仏壇を祀るのにこじつけた理由などつける必要はないのかもしれません。
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